2026.09
アーティスト・ステイトメント
違い
「違い」を分かっていないことがよくある。ろくに観察をしていないとか、単なる知識不足だとか、集中していないとか、ほとんどはそんな他愛のない理由なんだろうと思う。だから似たようなことに感動したり、初めてのことを見過ごしたりもする。「違い」に気がついても忘れてしまうことが多く、タチが悪い。
そうやってよく分かっていないまま、「違い」とすれ違いながら日々を過ごしている。
制作
私たちは、経験したことのすべてを捉えなくても、それを一つのまとまりとして受け取り、覚えている。十分には分かっていないが、何であるかは分かる。その二つは矛盾せず、同時に成り立っている。
引っ掛かったことは、考え続けていなくても残っている。制作では、抜け落ちたものを補うのではなく、そのとき起きていたことと、形の働きを接続し、経験を辿り直す。何を残し、どの形を用いるかという選択から、作品を組んでいく。